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リンク経由で申し込まれた場合、筆者に紹介料が入ることがあります(あなたの支払額は変わりません)。この記事で紹介料が出るのは6製品のうち1つだけで、残りは報酬のない競合です。そのほうが比較として意味があるので、そうしています。
人を増やしたら、ツール代も増えた
制作会社や代理店の運営を見ていると、だいたい同じ順番で同じことが起きます。
最初はスプレッドシートで足ります。案件が10本くらいまでなら、シートを分けて色を塗れば回る。人が5人を超えたあたりから、誰かが「進捗が分からない」と言い出して、ワークマネジメントツールを入れる。最初の数ヶ月は快適です。
問題が出るのはそのあとです。人を1人増やすたびに、月額がもう1席ぶん増える。 アルバイトを入れても増える。外注のデザイナーを案件に入れても増える。クライアントに進捗を見せたくて招待したら、そこでも増える。
気づくと、12人の会社で20席ぶん払っている。しかも一番使っているのは4人だけ、という状態になっている。
もうひとつ、これと並行して起きるのがツールの分裂です。タスクはこのツール、クライアント情報はスプレッドシート、案件の見積もりは別のシート、日報はチャット。それぞれ最適に見えるのに、月末に「この案件、結局いくらかかったのか」を出そうとすると、4箇所を突き合わせる作業が発生する。
このどちらも、ツールの機能不足では解決しません。課金の構造と、道具の設計思想の問題です。だから機能比較表を眺めても答えが出ない。
見るべきところは、もっと地味な三つです。
選ぶときに効く、三つの問い
機能は毎年増えます。料金ページも改定されます。それでも変わらないのが、この三つの構造です。
1. 課金が席数に連動しているか。そして最低席数はいくつか
ワークマネジメントツールの料金は、大きく二種類あります。
席数課金は、使う人の数 × 単価。ほとんどの海外製ツールがこれです。分かりやすい代わりに、人が増えるほど線形にコストが増える。制作会社のように人の出入りが多い業態とは、構造的に相性が悪い。
定額制は、プランごとに人数の上限が決まっていて、その範囲なら何人使っても同じ金額。日本のツールに多い形です。人が増えても請求は動かない代わりに、上限をまたいだ瞬間に階段状に上がる。
どちらが得かは、人数と、その増え方で決まります。ざっくり言えば、人数が安定していて少ないなら席数課金が安く、出入りが多いか将来増える見込みなら定額制のほうが読みやすい。
そしてここで見落とされやすいのが最低席数です。「1人あたり月$32」と書いてあるのに、そのプランは最低5席から、ということがある。3人の会社が申し込むと、実際には5席ぶん払うことになります。入門プランの単価ではなく、最低席数を掛けた実額を、比較の土俵に乗せてください。
年払いの割引率も、意外と幅があります。同じ「年払いでお得」でも、実際には5%引きのところと40%近く引くところがある。ただし年払いは途中で席を減らせないのが普通なので、人数が動く前提なら月払いで様子を見るほうが安全なこともあります。
2. 社外の人を、どう入れるか
ここが制作会社・代理店にとって最大の分岐点です。そして料金表の一番下に小さく書いてあることが多い。
事業会社と違って、この業態の案件には、たいてい社外の人が入ります。クライアントの担当者、外注のデザイナー、ライター、カメラマン。彼らを招待するかどうかで、実質の席数が倍以上変わります。
製品によって扱いはばらばらです。
- 閲覧だけなら無料(編集はできない)
- ゲストなら編集込みで無料(人数無制限)
- 社外だろうと1席は1席(全員課金)
- 無料だが権限を絞れない(招待すると全部見えてしまう)
最後のパターンは金額の問題ではなく、事故の問題です。A社の案件に招待したフリーランスから、B社の案件も見えている——これは説明のつかない状況です。
判断の仕方はこうです。自社の社員数ではなく、過去3ヶ月に案件に触れた全員の頭数を数えてください。 その数字で各プランを計算し直すと、順位はたいてい入れ替わります。多くの会社で、この数は社員数の1.5倍から2倍になります。
3. その道具は「何のデータベース」なのか
三つ目が一番大事で、一番語られません。
見た目が似ているツールでも、中心にあるデータの単位が違います。
- タスク中心 — 一番小さい単位がタスク。「誰が・いつまでに・何を」を管理するのが得意。案件全体を俯瞰するには、上に階層を積む必要がある
- 表(レコード)中心 — 一番小さい単位が表の1行。案件でも取引先でも請求でも、表として持てるものなら何でも管理できる。柔軟な代わりに、自分で設計しないと何も始まらない
- 文書中心 — 一番小さい単位がページ。議事録や仕様書と、タスクが同じ場所に置ける。書くことが多い仕事に強い代わりに、集計は苦手
自社の仕事が何を単位に回っているかを考えてください。制作会社なら、たいていは「案件」です。クライアント × 期間 で1つの塊があって、その中にタスクがぶら下がっている。日報も見積もりも請求も、その塊に紐づく。
この構造をそのまま持てるのは表中心のツールです。タスク中心のツールでも表現はできますが、案件の全体像を一枚で見る場所を自分で作ることになる。
ここを外すと、機能は足りているのに使われなくなります。 導入して三ヶ月後に誰も開いていないツールは、たいてい機能が足りなかったのではなく、日々の仕事の単位と道具の単位がずれていた、というのが実際のところです。後半で自分の失敗を書きます。
六つのツールを並べてみる
席数課金から定額制まで、そして表中心からタスク中心まで幅を取りました。価格は各社の公表値で、変わることがあるので申し込む前に必ず公式ページで確認してください。Backlog のみ円建て(税別)、他はドル建てです。
| ツール | データの単位 | 課金の形 | 現実的に落ち着くプラン | 無料枠 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|---|---|---|
| SmartSuite | 表中心 | 席数課金 | Professional 年払 $32/席 | なし(14日試用) | 最低席数 Team 3席・Professional 5席 |
| monday.com | 表中心 | 席数課金 | Standard 年払 $9.84/席 | 2席まで | 閲覧者は無料。編集する人は全員課金 |
| Asana | タスク中心 | 席数課金 | Starter 年払 $10.99/席 | 2人まで | 有料プランはゲスト無制限無料。ここが強い |
| ClickUp | タスク中心 | 席数課金 | Unlimited 年払 $7/席 | ユーザー無制限 | 無料プランのゲストは権限を絞れない |
| Airtable | 表中心 | 席数課金 | Team 年払 $20/席 | あり | Business は年払 $45/席。この中で最高単価 |
| Backlog | タスク中心 | 定額制 | スターター 月2,700円/スタンダード 月16,000円 | 10人・1プロジェクト | プラン間の段差が大きい(2,700円→16,000円) |
一つずつ、正直なところ
SmartSuite
向いている人: 案件・クライアント・タスクを1つのデータベースに統合したい会社。そして、その設計を自分でやる気がある人。
SmartSuite は表中心のツールの中で、業務システムに一番近い位置にいます。案件テーブル、取引先テーブル、タスクテーブルを作って、それらをリンクで繋ぐ。「この案件に紐づくタスク」「この取引先の全案件」が、追加のツールなしで出せる。制作会社が普段スプレッドシート4枚でやっていることを、1箇所に持てます。
業種別のテンプレートが用意されているのも実務的な利点です。ゼロから設計するのは骨が折れるので、近いテンプレートを土台にして削っていくほうが早い。
料金は Team が月$20(年払$32ではなく年払$15)、Professional が月$36(年払$32)。そして最低席数があります。Team は3席、Professional は5席。 3人の会社が Professional を選ぶと、5席ぶん、年払いで月$160を払うことになる。ここは必ず計算に入れてください。
無料プランがなく14日間の試用のみ、というのも判断材料です。設計に時間のかかるツールで試用期間が2週間というのは、正直やや短い。試すなら、いきなり全部を移すのではなく、案件を2〜3本だけ入れて回すのが現実的です。
良いところ
- 案件・取引先・タスクを1つのデータベースで繋げられる。ツール分裂の根本的な解になりうる
- 業種別テンプレートが実用的で、設計の初速が出る
- 権限設定が細かく、社外の人に見せる範囲を絞りやすい
- 表・ボード・ガント・カレンダーを同じデータに対して切り替えられる
気をつけるところ
- 最低席数(Team 3席/Professional 5席)。小さいチームほど単価が実質的に上がる
- 無料プランがなく、試用が14日。設計込みで評価するには短い
- 表中心なので、自分で設計しないと何も始まらない。テンプレートがあってもここは避けられない
- 管理画面もドキュメントも英語。日本語の実践的な解説記事はまだ非常に少ない
monday.com
向いている人: チームに非エンジニアが多く、見た目の分かりやすさが導入の成否を分ける会社。
このカテゴリーで最も知名度が高く、そのぶん社内で説明しなくていいという利点があります。色分けされたボードは直感的で、ツールに苦手意識のある人でも初日から触れる。導入のハードルという意味では、この中で一番低い。
料金は Basic が月$9(年払$7.38)、Standard が月$12(年払$9.84)、Pro が月$19(年払$15.58)。閲覧者は全プランで無制限に無料なので、クライアントに進捗を見せるだけなら追加費用はかかりません。
読み方の注意は二つ。ひとつは欲しい機能がどのプランに載っているかで、自動化やタイムライン、工数管理といった実務で必要になるものは Standard 以上に集まっています。入門価格で計算すると、あとで足りなくなる。もうひとつは、編集する人は全員1席ということ。外注が編集に加わるなら、そのぶんは席数として積み上がります。
良いところ
- 見た目が分かりやすく、導入時の抵抗が少ない
- 閲覧者が無制限で無料。クライアントへの共有が安く済む
- 日本語のUIと情報が充実しており、社内説明の資料に困らない
- 自動化の設定がノーコードで、非エンジニアでも組める
気をつけるところ
- 実務で必要な機能が Standard 以上に集まっており、入門価格は実勢価格ではない
- 編集権限のある人は社外でも1席ぶん課金される
- 表中心といっても SmartSuite ほど深いリレーションは組みづらい
- 人数が増えたときのコストの伸び方が、この中では速いほう
Asana
向いている人: 社外メンバーが常時関わる案件を回している会社。ゲストの扱いで悩んでいるなら、まずここを見てください。
Asana の最大の特徴は、有料プランでゲストが無制限に無料であることです。しかも閲覧だけでなく、招待されたプロジェクトの中では編集もできる。制作会社にとってこれは金額の差が最も大きく出る条件で、外注5人・クライアント3人が常時関わっているなら、他社と年間で数十万円の差になることがあります。
タスク中心の設計で、「誰が・いつまでに・何を」の管理は明快です。逆に案件全体を俯瞰する仕組み(ポートフォリオ、工数管理)は Advanced 以上に載っているので、そこが必要なら年払$24.99で計算してください。
料金は Starter が年払$10.99(月払$13.49)、Advanced が年払$24.99(月払$30.49)。無料プランは2人までなので、これは個人用と考えたほうが正確です。
良いところ
- ゲストが無制限で無料。社外の人が多い業態では決定的な差になる
- タスクの管理が明快で、担当と期限が曖昧にならない
- 日本語対応が安定していて、情報も多い
- 連携先が非常に多く、既存のツールに繋ぎやすい
気をつけるところ
- 無料プランが2人まで。実質、試用の位置づけ
- 案件の俯瞰と工数管理は Advanced 以上。単価が倍近くになる
- タスク中心なので、取引先情報や見積もりのような表で持ちたいデータは苦手
- Starter から Advanced への段差が大きい
ClickUp
向いている人: 予算をとにかく抑えたい、あるいは無料のまま人数だけ増やしたい会社。
無料プランがユーザー無制限というのが、この製品の立ち位置を決めています。他社の無料プランが2人〜10人で頭打ちになる中で、ここだけ人数制限がない。予算をかけずに全社をひとつのツールに乗せる、という選択が現実的に取れます。
有料も安く、Unlimited が年払$7(月払$10)、Business が年払$12(月払$19)。席単価はこの中で最安の部類です。
ただし無料プランには、金額では測れない注意点があります。無料プランのゲストは権限を絞れず、全権限が付きます。 社外の人を招待する前提なら、無料のままでは運用できません。ここを知らずに始めると、あとで有料に上げる判断が「機能不足」ではなく「事故防止」の理由で発生します。
もうひとつ、機能の幅が広いぶん初期設定で迷いやすいという性格があります。何でもできるツールは、何をしないかを決めるところから始まります。
良いところ
- 無料プランがユーザー無制限。予算ゼロで全社導入を試せる
- 有料の席単価がこの中で最安の部類
- 機能の幅が広く、他ツールを減らせる可能性がある
- 表示形式の切り替えが柔軟
気をつけるところ
- 無料プランのゲストは権限を絞れない。社外を入れるなら有料が前提
- 機能が多く、初期設定の判断が多い。決める人がいないと散らかる
- 動作が重く感じられる場面があるという声が一定数ある
- 日本語の情報は monday.com や Asana より薄い
Airtable
向いている人: 表としてデータを持ちたいが、業務システムまでは作り込みたくない会社。
Airtable は表中心のツールの原型のような存在で、スプレッドシートからの移行が一番自然です。今使っているシートの構造をほぼそのまま持ち込めて、そこにリンクやビューを足していける。学習コストが低いのは、既に知っているものに近いからです。
閲覧専用の共同編集者は無料で、フォームからの送信や共有リンクにも課金されません。クライアントに依頼フォームを出す、といった使い方が安く実現できます。
料金は Team が年払$20、Business が年払$45。Business の$45はこの6製品で最高単価です。権限の細かい制御や高度な機能はここに載っているので、必要かどうかを先に見極めてください。
良いところ
- スプレッドシートからの移行が最も自然。学習コストが低い
- 閲覧専用の共同編集者・フォーム送信・共有リンクが無料
- 表としての表現力が高く、設計の自由度がある
- 無料プランがあり、小さく始められる
気をつけるところ
- Business の年払$45はこの中で最高単価。必要な機能がそこにあると総額が跳ねる
- 案件管理の「型」は自分で作る前提。テンプレートはあるが業務システムほどではない
- ガントや工数の管理は専用ツールに一歩譲る
- 表が大きくなったときの動作は、設計の仕方に依存する
Backlog
向いている人: 人の出入りが多く、席数課金の読みにくさから離れたい会社。日本語でのサポートを重視する会社。
Backlog は日本製で、定額制という点でこの一覧の中で構造が違います。スターターが月2,700円(年払30,780円)で30ユーザー・5プロジェクト。スタンダードが月16,000円(年払182,400円)でユーザー数の実質無制限・100プロジェクト。何人招待しても請求は変わりません。
制作会社にとってこの意味は大きくて、外注が5人増えても、クライアントを10人招待しても、月額は同じです。前述の「過去3ヶ月に案件に触れた全員」を数えたときに、その数が社員数の2倍を超えているなら、定額制の計算のほうが読みやすくなります。
無料プランは10ユーザー・1プロジェクト。試すには十分な範囲です。
注意点はプラン間の段差で、スターターの月2,700円から、次のスタンダードは月16,000円。プロジェクト数が5を超えた瞬間に、月額が6倍近くになります。制作会社は案件=プロジェクトで数えると5本はすぐ超えるので、実質スタンダードから、と考えたほうが計算が合うことが多い。
良いところ
- 定額制。人を増やしても請求が動かない。人の出入りが多い業態と構造が合う
- 日本語のUI・ドキュメント・サポートが揃っている
- 無料プランが10ユーザーまでで、試用として十分
- ガントチャートやバーンダウンが標準で付いてくる
気をつけるところ
- スターターとスタンダードの段差が大きい(月2,700円 → 16,000円)
- プロジェクト数の上限が実質的な天井になりやすい
- タスク中心なので、取引先や見積もりを表で持つ用途には向かない
- 開発チーム由来の設計で、非エンジニアには用語が硬く感じられることがある
状況別に、どれを選ぶか
案件・取引先・タスクがバラバラのシートに散っていて、それを1つにまとめたい。 → SmartSuite。表中心の設計で、リレーションを組めば「この案件の全部」が1画面に出ます。ただし最低席数(Professional は5席)を先に計算に入れて、14日の試用では全部移そうとせず案件2〜3本で試してください。
外注とクライアントが常時案件に入っている。 → Asana の Starter。ゲストが無制限で無料という条件は、この業態では他のどの機能差よりも金額に効きます。社内の編集者だけを数えて計算してください。
人の出入りが激しく、来年の人数が読めない。 → Backlog。定額制なので人数の予測が不要になります。ただしプロジェクト数で計算し直してください。案件を5本超えるならスタンダード(月16,000円)が実勢価格です。
まず予算ゼロで、全員を1つのツールに乗せてみたい。 → ClickUp の無料プラン。ユーザー無制限は他にない条件です。社外の人を招待する段階になったら、権限の問題で有料に上げる前提で計画してください。
ツールに苦手意識のあるメンバーが多い。 → monday.com の Standard。導入の抵抗が一番少なく、閲覧者は無料。入門プランではなく Standard で計算するのを忘れずに。
今のスプレッドシートの構造を、なるべく壊さずに移したい。 → Airtable の Team。移行が最も滑らかで、学習コストが低い。Business の$45が必要かどうかを先に見極めてください。
どれを選べばいいか本気で分からない。 → まず紙に、過去3ヶ月で案件に触れた人を全員書き出してください。社員・アルバイト・外注・クライアント担当者を全部。その頭数と、案件の本数。この2つの数字を持って料金ページに戻ると、候補は2つくらいまで絞れます。ツールを比べる前に、自分の数字を確定させるほうが早い。
ライセンス代は下がったのに、誰も使わなくなった話
ひとつ、自分の失敗を書きます。
12人ほどの制作チームの運営を手伝っていたとき、ツールの見直しをしました。当時使っていたものが席単価で高く、外注を入れるたびに請求が増えるのが目に見えていたからです。
比較して、席単価がかなり安いツールに移しました。移行作業に二週間ほどかけて、過去の案件データも入れて、全員にアカウントを配りました。ライセンス費は年間で四割ほど下がりました。 その時点では、うまくやったと思っていました。
三ヶ月後、ほとんど誰も開いていませんでした。
進捗の確認は結局チャットで行われていて、案件の一覧は誰かが作ったスプレッドシートに戻っていた。移行前とほぼ同じ状態です。違うのは、使われていないツールの料金を払っていることだけ。
原因を聞いて回って、分かったことがあります。その会社の仕事は「案件」を単位に回っていました。 クライアント×月次の塊があって、その中にタスクがあって、日報も見積もりもその塊に紐づく。月末の振り返りも「案件ごと」にやる。
対して、選んだツールはタスク中心の設計でした。タスクの管理は完璧だったんです。誰が何をいつまでに、は一目で分かった。でも**「この案件の全体」を一枚で見る場所がなかった。** 案件ごとの状況を知りたい人は、タスクを絞り込んで自分で組み立てるしかない。それが面倒だから、みんなスプレッドシートに戻った。
私が比較したのは、席単価と機能一覧でした。比較すべきだったのは、その道具の一番小さい単位が、うちの仕事の一番小さい単位と合っているかでした。
それ以来やっていることは単純です。ツールを検討するとき、まず**「うちは何を単位に仕事をしているか」を一文で書く**。制作会社なら「クライアント×月次の案件」、受託開発なら「プロジェクト×スプリント」、といった具合に。その文が書けたら、候補のツールでその単位を素直に作れるかを試します。作れないなら、機能がどれだけ揃っていても見送ります。
安く移行して使われなくなるのは、高いまま使い続けるより高くつきます。移行にかけた二週間と、全員の学習時間が、丸ごと消えるからです。
まとめ
一文にすると、案件に触れる全員の頭数を数えて、社外の人の扱いを確認して、自分たちの仕事の単位を書き出す。この三つが埋まれば、候補はほぼ自動的に絞れます。
このカテゴリーで一番もったいないのは、席単価の安さで決めて、三ヶ月後に使われなくなることです。ライセンス費の差は年間で数万円から数十万円ですが、移行に失敗したときに消える時間の価値は、たいていそれを上回ります。
そして、最初から全部を移そうとしないでください。 案件を2〜3本だけ入れて、1ヶ月回してみる。その間に「この単位で管理できているか」を見る。ここで違和感があれば、まだ引き返せます。全社に配ってから気づくと、引き返すコストが跳ね上がります。
各ツールの料金やプラン構成が変わることがあります。この記事の内容と公式サイトの表示が食い違っていたら、教えていただければ直します。